「勝つべき事件は勝ち,負けるべき事件は必要以上に負けない」
「依頼者に寄り添う弁護士」これはよく聞く言葉ですが,私の考える弁護士像とは少し異なります。
弁護士が取り扱う事案の多くは,既に発生した過去の出来事に関するものであり,過去に起きた出来事はもはや変えることはできません。その変えることのできない過去の事実に法律を適用して解決するのが,司法のシステムである以上,本来,勝つべき事件は勝ちますし,負けるべき事件は負けるということになります。ところが,依頼者に寄り添うという言葉は,依頼者に安心感・信頼感などを与えることができるかもしれませんが,時として,負けるべき事件であるにもかかわらず,依頼者に有利な結果をもたらしてくれるという過度の期待感を持たせることになりかねません。その意味で,私は,「依頼者に寄り添う弁護士」というのは,少し違うと思うのです。
私が目指すのは,勝つべき事件は勝ち,負けるべき事件は必要以上に負けないということです。これは一見簡単なことのように見えて,実は大変難しいことなのです。
これを実行するには
① 法律の深い知識が必要
② 法律以外の幅広い知識が必要
③ 証拠によって可能な限り過去の事実を再現することが必要
となります。